香水に全く詳しくない方でも必ず知っている香水といえば、そう、シャネルNo.5でしょう。
アメリカの大女優マリリン・モンローが記者に「何を着て寝ているのか」という無粋極まりない質問をされた際に「シャネルの5番よ」と切り返したという話はあまりにも有名ですが、彼女のひと言で世界中の人々が「シャネルの5番」を知るようになりました。
今回は、そんなシャネルの5番をお買い取りいたしましたので、この有名すぎるエピソードではない、もう少し掘り下げた興味深い裏話をご披露いたします。
「シャネルの5番をつけて寝る」というマリリン・モンローのエピソードが世界中を駆け巡り、彼女と言えばこの発言というイメージが定着しました。そのマリリン・モンローが来日した際に、日本人記者が「あなたは寝る時に何をつけるのですか?」と、これまた非常にセンスの無い質問をしたそうです。これに対し、モンローは「私がつけるのはラジオだけよ」と微笑んだというのです。「シャネルの5番」という決め台詞が欲しかったであろう失礼な記者に対して、モンローが返したウィットに富んだひと言は、彼女の人柄と自頭の良さを日本中に知らしめました。
さて、モンローの話はこの辺にしておいて、今度は「シャネルNo.5」そのものに注目してみましょう。
そもそも、このシャネルNo.5は、モンローのおかげで有名になったのではなく、香水業界ではとんでもない大発明として話題に上っていました。
香水の歴史はとても古く、エジプト王朝の時代から花や木などの植物を中心に香りを抽出して作られたところから始まります。それから長らく、自然の香り成分を抽出した香水が主流となるのですが、大量の花から採れる香り成分は僅かで、その希少性から非常に高価なものでした。
ここに一石を投じたのがココ・シャネルでした。
シャネルは、エルネスト・ボーという香りの調合師に「世界中の女性たちに香りを送りたい。そんな香りを作ってほしい」と依頼しました。
世界中の女性たちが手にできるということは、安価でなければなりません。
そこでボーは、合成香料アルデヒドを大量に用いて、香りを調合するという前代未聞のチャレンジを開始します。このアルデヒドは、そのままでは脂っこい体臭のような臭いがするのですが、花や果物の香りと調合すると、心地よい香りに変貌するのです。
ボーは、シャネルのためにいくつもの香りを調合しました。そしてそれぞれの香りに番号を振ってシャネルのもとへと持って行きました。
そこでシャネルが5番目の香りを選び、更にそのまま「5番」という名前で販売を開始しました。
そのため、シャネルの香水は、1番、2番などがあるわけではありません。
番号がついている香水は5番と、他に残ったいくつかの番号のものだけなのです。
こんなウンチクを知っていると、香水の楽しみ方も増えますね。
ちなみに、シャネルNo.5は、「オレンジのような香り」や「ジャスミンのような香り」など、「〇〇のような香り」と表現できないような不思議な、独自の香りをもっています。
女性が好む香りに調合されており、まさに女性のための香水です。